あのなキャシー

ゼネラルマネージャーアシスタントのキャシーという香港人からメッセージが届いた。


香港总销经理というなんか強そうな肩書きのキャシーからのダイレクトメッセージだった。


Linkedin、それはなんとなくFacebookInstagramとは異なる雰囲気を持つ、なんとなく賢そうで、なんとなくエグゼクティブみたいな気分になれるサービス。


メッセージは英語だった。やっぱリンクトインやしな。世界は英語なんや。Linkedin、で香港人、から英語、でメッセージが届いた私はかなり「意識高い」くなっていた。


「日本の今のコロナってどんな感じ?」と言った内容だった。


やっぱ香港人やしフランクやな。直接聞いた方が早いっていう合理性もなんか香港ぽいな。意識高いしな。


それからしばらくやりとりした後、キャシーは
「他のSNSやってる?Linkedinは使いにくい」と言ってきた。


今思えばそれは「他のSNSへの誘導」だったが、特に気にせずLINEに移った。それからはLINEでの雑談が始まった。


ある夜、唐突に「いま歯磨き中〜」と画像が送られてきた。さすが香港人、フランクやな。
ぴったりした薄手の部屋着で歯ブラシを持っている画像。紳士諸兄にわかりやすく説明するとユニクロのエアリズムみたいな素材だ。生地が伸びてさらに強い光が当たっているのでうっすらと谷間が見える。


あのなキャシー。飛ばし過ぎや。


ファイル名が気になり、プロパティを開く。


微信图片20180807-副本.jpg


あのなキャシー。
この流れでなんで2年前の歯磨きやねん。
しかも副本ってキャシー、加工後のコピー出力しとるやんけ。


すぐさま「これ自撮り?」と聞くと、キャシーは「そう」と答えた。


あのなキャシー。
自撮りでキャッチアイて。
瞳にカメラマン映ってるで。
首に影できるくらい光当てるか。


上記を踏まえ、
「写真うまいね!モデルの写真みたい」と送った。
キャシーは突如、画像を取り消した。
ふふふ、まだまだこれからだぜキャシー。


翌日の写真は「今日の晩ご飯」という。サラダの写真。


20190617.png


あのなキャシー。どう見てもそれはぶっかけ飯やぞ。まあええけど。


キャシーは香港の茶館を経営しているという。


茶館があるという通りの名前を教えてくれた。


Googleマップでその場所を見てみよう。飛んでけペグマン。


ペグマンが見せてくれたのは、両サイドバリケードで再開発中のストリート。いやこれは何かの間違いだ。移動式店舗かも知れない。よく見たらマップの更新が2007年だ。抜かりなくそのあとは百度地图でキャシーの店を探しに行く。バリケードは無くなり大きなモールがそこには出来ていた。
さすが香港。


「なんていう店の名前?」
普段は返事に一定のタイムラグのあるキャシー。


今回はすぐさま、
"上茗"
と返事が来た。


なんとなく聞いたことのあるチェーン店茶館っぽい名前だった。英語圏では強調するときに「""」で文字を囲うと聞いたことがある。意識高いし。
きっとキャシーは自分の会社に強い誇りがあるのだろう。


…なんて思うとでも思ったか。


あのなキャシー。
慌ててExcelのセルコピーを貼り付けたから"上茗"てダブルコーテーション付いたんやろ。どうせ
設定資料.xlsの
6行目あたりがキャシーのキャラ仕様設定でF6あたりが勤務先なんやろ。


キャシーは語る。


台湾で生まれ、キャシーの両親が以前から香港で事業をしていて、キャシーは離婚したあと両親の事業を、手伝うために香港にやってきた、そうだ。


なあキャシー。
多分H6セルやろ。わざわざ離婚したっていう必要ないで。


でもなキャシー。
騙されてあげようにもオッチャン手取り12万やしな、ITとかそこそこわかる世代やし、


もっとなExcelとかよー触らん、何も出来んのに時代が良かっただけでいい給料もらってる日本人のオッチャン探し。なんせ世間も世界も知らんからチョロいで。そのほうが絶対ええよ。


たぶんそういうオッチャンはFacebookにいっぱいおるで。